日時:3月22日(土)18:00~19:30
(申込締切:3月19日(水)18:00)
講師:髙橋一幸(神奈川大学/1992年度パーマー賞受賞)
講義内容
プロの教師として「必要な力」には、教育者として授業の根幹となる信念(teacher's beliefs)として、授業を通じてどのような児童・生徒を育成したいのかという「①教育理念」(教育者としての夢と理想)がまず必要です。そして、①の視点から子ども達の現在地点を見極める「②児童・生徒理解能力」、①と②のギャップを埋めるための「③目標設定能力」、③を実現するための道筋としての「④授業設計能力」(「単位授業の設計能力」と「中・長期的な授業計画策定能力」)、そして、④を支えるものとして教師の英語力・英語理解・指導技術・教育的人間力などの「⑤-1 指導力」と言語習得理論、教授法、教育課程の理解などの「⑤-2 外国語教育に関する専門知識」があります。これらは、大学の教員養成の中でその基礎を育成すべき能力ですが、現場に出てからも自己研鑽を続ける必要があります。そして、教師として成長し続けるために、もうひとつ現場教師に不可欠な力があります。それは、自分の授業を客観的に省察し、課題を特定して、自律的により良い授業を創出する「⑥授業改善能力」です。
今回は、この方法として「アクション・リサーチ」の手順を紹介し、具体的な課題をを取り上げて皆さんと共に考えてみたいと思います。亡くなる日まで進化・成長を続けた我が盟友の故・稲岡章代先生(2000年度パーマー賞受賞)の実践も紹介できればと考えています。
「教師は教師になったその日から、教師になるための道を歩み始める。」これは故・若林俊輔先生の言葉です。「プロの教師としてのスタートは、自分が教わった通りに教えることから脱却すること。」「大学で学んだ知識を切り売りしていると3年あれば教師は枯れる。」「成長の止まった大人に、子ども達の成長を促すことはできない。生徒たちを教えるために学び、生徒と共に成長し続ける教師であれ。」これらは、英語教師をめざすゼミ生たちに私が伝えている言葉です。
講師プロフィール
髙橋 一幸(たかはし かずゆき)
大阪教育大学附属天王寺中学校・高等学校を経て現在、神奈川大学教授。1992年度パーマー賞受賞。2002~2004年度NHKラジオ「新基礎英語1」講師。英語授業研究学会理事、元会長。日本教育アクションリサーチ・ネットワーク副代表。語学教育研究所パーマー賞委員。大学で教員養成とともに、全国の小中高の英語教育研修講師として現職教師教育に携わっている。趣味は居合道(無双直伝英信流・八段)。単著に『改訂版・授業づくりと改善の視点―小と高とをつなぐ新時代の中学校英語教育』(教育出版)『改訂版・成長する英語教師―プロの教師の「初伝」から「奥伝」まで』(大修館書店)。共編著に『Q&A小学英語指導法辞典』『Q&A中学英語指導法辞典』『Q&A高校英語指導法辞典』(教育出版)ほか。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
日時:3月8日(土)18:00~19:30
(申込締切:3月5日(水)18:00)
講師:靜 哲人(大東文化大学)
講義内容
英語の音声は意味の表現です。当然ですが、良い音読、効果的な発話は文脈や構文の正確な理解なしにはありえません。その文のどこが旧情報でどこが新情報なのか、どの部分に特に注目してほしいのか等により、リズムやイントネーションは変わります。本講座では検定教科書の本文やその他の教材(TEDや英語ニュースなど)を題材に、意味やニュアンスを正確に効果的に伝えるための音声化の練習をします。教員になってしまうと発音の矯正を受けるのは難しいと思いますが、Zoomを「ビデオオフ&名前も場合によっては非実名」に設定して心理的ハードルを下げたうえで、一人ずつ実際に発話/歌唱していただき、率直なアドバイスをいたします。
講師プロフィール
靜 哲人(しずか てつひと)
15年間、中・高・高専で教えた後、大学に移って27年目。大東文化大学で英語教員養成にあたっています。主に音声技能の向上のさせ方に関心があり、一斉授業内の個別指導方法としての「グルグルメソッド」、実際に英語の歌を歌わせることでの発音練習のふたつを提唱しています。主著は『英語授業の心・技・体』(研究社)、『日本語ネイティブが苦手な英語の音とリズムの作り方がいちばんよくわかる発音の教科書』『(同)単語の教科書』(テイエス企画)。3年前からランを始め、現在フルマラソン3時間45分切りが目標。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
日時:2月16日(日)10:00~11:30
(申込締切:2月13日(木)10:00)
講師:草間 浩一(武蔵高等学校中学校)
講義内容
「学びのユニバーサルデザイン」では、学習者一人一人が違うことを前提に、多様性に応じた学習が出来るような工夫を考えます。障碍を持っているのは学習者ではなく、カリキュラムだと捉え、事前に解決策を検討し準備します。学びの多様性に合わせた選択肢を提供し、学習者が選択します。本講座では、多様性の捉え方や対応の仕方の理解を通じて、授業のユニバーサルデザインを考え、実践していくための具体的な方策を扱う予定です。
講師プロフィール
草間 浩一(くさま こういち)
武蔵高等学校中学校の教諭として40年弱英語教育に携わっています。途中英国ニューカッスル大学に留学、生徒の学習スタイルの違いを活かしたCALL(Computer Assisted Language Learning)を研究、PhDを取得。その後も個々の生徒の違いを考え続け、カウンセリング心理士、特別支援教育士の資格を取得。現在は「学びのユニバーサルデザイン」の考え方を取り入れた授業実践に取り組んでいます。2018年度からは早稲田大学の非常勤講師として特別支援教育の集中講座も担当しています。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
日時:1月25日(土)20:00~21:30
(申込締切:1月22日(水)20:00)
講師:粕谷 恭子(東京学芸大学)
講義内容
ほかの教科では今さら話題にもにならない「小学校の指導を受けての中1の指導」が、いつまでも話題になっているのはあまりに情けないことだと思いませんか。音から文字、受信から発信の流れを確認したうえで小学校での実践から考えた、学習者にとって負担のない指導について提案させていただきます。
講師プロフィール
粕谷 恭子(かすや きょうこ)
私立小学校で英語を教え始めたら、思いのほかおもしろくてここまで来てしまいました。大学に籍を置いて教員養成の仕事をしています。卒業した学生が仲間になってくれるのがとても楽しみです。教員研修で出会う先生方と授業づくりに関われるのも大きな楽しみです。先生方にも子どもたちにも負担の少ない授業のあり方を提案できるよう、努めています。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
日時:1月6日(月)15:00~16:30
(申込締切:1月3日(金)15:00)
講師:小菅 敦子(武蔵野大学 他)
講義内容
中学校の英語指導において、「導入(Oral Introduction)、確認(Explanation)」の後に行う「言語活動(Activity)」についてお話しいたします。教室という限られた場面で、いかに生徒に必然的に英語を使ってもらえるか、なおかつ先生にとって省エネで、効果の大きいアクティビティを紹介したいと思います。ペアワーク、即興的なやり取り、Plus-One Dialog、リテリング、Show &Tell、テキストの内容をさらに発展させる発表等です。さらにライティングへつなげる指導についても触れたいと思います。
講師プロフィール
小菅 敦子(こすげ あつこ)
元東京学芸大学附属世田谷中学校教諭。この間に多数回にわたり授業を公開、NHKラジオ『新基礎英語1』(1994〜1995年度)講師を勤める。現在は、武蔵野大学他にて教職の授業、英語指導に従事。1997年「パーマー賞」受賞。語学教育研究所理事。パーマー賞選考委員長。第5研究グループ(授業研究)主任。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:前の講座「中学:新教材の導入」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
日時:1月6日(月)13:00~14:30
(申込締切:1月3日(金)13:00)
講師:栖原 昂(筑波大学附属中学校)
講義内容
中学校の授業において、新出文法事項と教科書本文の内容を、自然な英語でのやり取りを通して導入する方法をご紹介します。具体例を示しながら、単元全体の指導計画の立て方、授業準備、導入に際しての留意点など、中学校の授業づくりの基本をお伝えします。
講師プロフィール
栖原 昂(すはら たかし)
東京都の公立中学校で5年間勤務したのち、現在の勤務校に移って9年目になります。教師と仲間がいるからこそできる学びを大切にした授業を心がけてきました。教科書を軸にしながら、生徒が実生活や世の中で起きていることに「英語」という窓を通して考え、思いを馳せられればと日々思っています。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:次の講座「中学:アクティビティ」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
日時:1月5日(日)15:00~16:30
(申込締切:1月2日(木)15:00)
講師:江原 一浩(佐久長聖高校・高崎経済大学)
講義内容
授業者は、ツアーガイドのように、目的に合わせて、詳細な日程(計画)を組み、参加者(学習者)の様子を観察しつつ、参加者が見聞を広め、新たな情報や技術を得て、充実感や達成感をおぼえるように支援する必要があります。この講座では、高校の授業における、新教材の導入(Oral Introduction & Explanation)後のアクティビティーに焦点を当てて、日々の授業を総合的、統合的、段階的なものとするために、いつ、どこで、どのような活動を、何に留意して実施したらよいのかを皆さんと共有したいと思います。授業の構成と展開、学習者の情報処理過程、指導者の指導姿勢を踏まえつつ活動を考えていきます。
講師プロフィール
江原 一浩(えはら かずひろ)
40年に渡り教壇に立ち、5つの高校と4つの大学で、日本人以外の学生を含む多種多様な学習者たちを指導してきました。学習者と指導者の複眼的視野を持ち、試行錯誤を繰り返し、また、現在も日々格闘しつつ、授業改善に取り組んでいます。若林俊輔先生の言葉「教わったように教えるな」と、ファンズロー博士の主張 “small changes”を心に刻み、努力を継続しています。現在、長野県の佐久長聖高校と群馬県の高崎経済大学の非常勤講師、及び、文部科学省検定済高校教科書English Communication「Power On」編集委員。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:前の講座「高校:新教材の導入」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
日時:1月5日(日)13:00~14:30
(申込締切:1月2日(木)13:00)
講師:浅野 伸子(東京都立小山台高等学校)
講義内容
授業で導入にかける時間は全体の4分の1であっても、導入が成功すれば授業の8割は成功したと言っていいでしょう。導入部でいかに生徒を巻き込み、その時間に扱う教材を理解させ、後に応用にまで発展させるかをお見せします。取り扱うのは高校のコミュニケーション英語の色々なレベルの教科書です。もちろんOral Introductionを用います。
講師プロフィール
浅野 伸子(あさの のぶこ)
今までにいろいろな学力層の都立高校を経験してきました。その間一貫して心掛けたのは、英語を理解したい、使いたいという生徒の希望を尊重することです。流行に振り回されることなく基本に忠実に授業を作る姿勢を学んだ語研で、明日の授業に悩む先生方の力になれることをうれしく思っています。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:次の講座「高校:アクティビティ」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
日時:1月4日(土)15:00~16:30
(申込締切:1月1日(水)15:00)
講師:吉田 章人(日本女子大学附属高等学校)
講義内容
英語、及び日本語を通して理解した教材を、どのように変化を持たせて繰り返し音読させるか、どのような点について指導を加えるか、さらに、音読の成果を土台としたプレゼンテーション活動のやり方についての解説と実習を行います。
講師プロフィール
吉田 章人(よしだ あきと)
1999年より日本女子大学附属高等学校に勤務し、現在に至る。2005年より8年間、日本女子大学にて「英語科教育法」を担当。「英語コミュニケーションI・II・III」の検定教科書執筆にも携わっている。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:前の講座「授業づくりの基礎・基本」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
日時:1月4日(土)13:00~14:30
(申込締切:1月1日(水)13:00)
講師:小菅 和也(武蔵野大学名誉教授)
講義内容
英語の指導案にOral Introductionという言葉はよく見かけるのですが、実際の授業を見て、率直なところ「えっ?これがOral Introduction?」と思うことが少なくありません。語研が提唱するOral Introductionが目指すもの、それを核とした授業の流れ、そして表面的なカタチだけにとらわれるのでなく、その奥にある基本的な考え方(これがとても重要です!)について、できるだけ具体的にお伝えしたいと考えています。
講師プロフィール
小菅 和也(こすげ かずや)
千葉県立高校、東京都立高校、国立大学附属高校など、20年余り高校の現場を経験してきました。その後、大学に籍を置いて中高英語教員養成に携わり、2021年3月に武蔵野大学教育学部を退職しました。自治体の現職教員研修にも数多く関わってきました。語研には20代後半から、もう40年以上お世話になっています。教師としての自分は、語研に育ててもらったと思っています。
参加費:会員 1,000 円 非会員3,000円 (学生は各半額)
非会員特別割引:次の講座「中高:音読から話す活動へ」と合わせて受講の場合、2講座で5,000円(申し込みは両方にお願いします。)
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